損失回避の法則(プロスペクト理論)というのは、行動心理学で我々人間は無意識的に得を取るよりも損をすること避ける選択をするという心理現象で、人が購買をする際や投資に対する考え方などで僕らの判断・選択で何を選ぶ傾向があるのかの心理学です。
この損失回避の法則は、ビジネスの現場や投資だけでなく恋愛でも同じようにおこりえます。
つまり、この損失回避の法則を活用すればデートに誘う際、恋愛を成功させる確率を格段にあげることができるのです。
そこでここでは、損失回避の法則についての基本から応用方法までを解説をしていこうと思います。
損失回避の法則(プロスペクト理論)とは?
損失回避の法則というのは、言葉のとおり我々人間というのは本能的に、”得をする事・得る事よりも損をすることを避ける選択をする“という現象で、これは僕達人間が得るものよりも失うもののほうを大きく感じるというバイアス(思い込み)をもっているからです。
これはよく言われる例でいうと
選択肢B.コインを投げて表が出たら200万だが裏が出たら何も手に入らない
この選択肢で言えば多くの人は、即座に「A」を選ぶはずです。
この2つの選択肢はどちらを選んでもあなたの損失はないので「最も確実な得」を得ようとするはずです。
しかし、もしこの時に・・・
選択肢B.コインを投げて表が出たら200万だが裏が出たら何も手に入らない(借金チャラ)
どちらを選ぶのか?というと、この時にほとんどの人が「A」ではなく「B」を選ぶ傾向が高いというが実証されているのです。
金額は同額で質問自体も一緒なのですが「状況」が違うだけで選択肢が変わるのです。
一方は得るものも失うものもない。
もう一方は失っているものがある。
状態なだけで僕らの選択は全く逆に変わっていくのです。つまり僕達人間は目の前に「利益」があると利益が入らないというリスクの回避を優先し、損失を目の前にすると損失そのものを回避する傾向があるのです。
この意思決定の人間の特徴をプロスペクト理論と言うのですが、目の前のリスクを回避する傾向そのものを損失回避の法則と呼ばれているのです。
つまり、この損失回避の法則というのは
✓損失をこうむる状況では多少のリスクを負ってでも損失を回避しようとする。
✓損得が別れる状況では利益を得るよりも損失をこうむる事に対して敏感に反応をする。
という僕達人間の無意識的な本能の特性のことを言っているのです。
これは恋愛で例えるのならば・・・
好きな女性とはできる限り長く一緒にいたい場合・嫌われる恐怖を持っている場合・オッケーをもらえるかわからない場合は、告白をして振られるリスクを避けようとする。
別れて一人になるのが怖い・離婚をして収入源がない場合・別れたくない場合は、相手と向き合ってその事実を知るよりも相手の言う事をとりあえず聞いてストレスをためるほうを選ぶ。
とかは結構多いですね。
このように、損失回避の法則というのはお金だけではなく他の部分でも働く傾向の高い本能的な心理なのです。
損失回避バイアスを回避する秘訣
この損失回避バイアスがかかってしまうと、金銭的な部分もそうですが恋愛もうまくいかない選択を自らしてしまう可能性があります。
例えば、先ほどの借金の例ならば・・
不確実な200万をえらぶよりも確実は100万をえらんだほうが借金は確実に減るのに選ばない。
損失があるのに運に任せてしまっているわけです。
これでは確実に借金の返済は難しいのがわかりますね。
また、そもそもお金に困ってないのに・・・
確実な100万を選び1/2の確率の200万チャレンジをしない。
これは一見別にどちらでもいいのは確かですけど、お金が関わっていない場合、、、別に困っていない状況ほどチャレンジしたりチャンスをつかもうとしないのです。
つまり、損失回避バイアスはある意味正確な判断を阻む可能性があるのです。
嫌だと思っている事を全てチャラにしようとする。
いい時は確実性を求めようとする。
わけですから。
嫌だと思っているものを優先順位の高いものだけを解消する。
何のリスクもない時はできる範囲でチャレンジをしてみる。
ということをしないわけです。
これは恋愛においても一緒です。
✓目の前の女性に嫌われることを恐れて何もできない・・
✓断られるのを恐れて誘うことができない・・・
✓セックスレスの原因が自分にあると思いたくないから理由を聞かない・・
✓別れたいと思っている理由を聞くのではなく別れないという確証をとりたがる・・
✓婚活でその人の性格がわからないからとりあえず経済力や顔という目に見えるものを欲しがる・・
などもそうです。
恋愛ではこの損失回避の法則というのは、大概の場合は“お金”ではなく“自分の存在価値の有無”で働く傾向が高いです。
あなたも身に覚えはあるかなと思います。
このように損失回避バイアスが働くと“本当に今すべきこと”“本当に大切な事”を僕らは見失ってしまい結果的に損失をこうむってしまうのです。
では、この損失回避バイアスからどうすれば逃れられるのか?
というと、主に2つポイントがあります。
・自分にバイアス(思い込み)が働いている事に気づく
・不幸な未来を思い描いて冷静に判断できるようにする
それぞれ説明していきましょう。
この損失回避の法則は僕ら人間全てが無意識的に持ちがちなバイアス(思い込み)で、そもそもバイアスというのは誰しもかかってしまうものです。
そのため
「私は思い込みなんてもってません!バイアスなんてかかってません!」
という人なんていません。
損失回避も一緒です。
そのため、そもそもこの損失回避バイアスによって判断を誤ってしまう事が自分はあるんだ!
ということを知っている事が何よりも重要で自分の判断を一度疑ってみるクセをつけてほしいのです。
自分は思い込みが働きがちな生き物だからバイアスがかかっているとしたら?
と何かを判断する際に一度一息をつける癖をつけてください。
ハッキリいいますが思い込みを僕ら人間は持っている!持たない人なんていない!だから自分の判断は誤っている可能性がある!という事を頭にいれておくだけで随分このバイアスからは逃れられるはずです。
そしてそれができたら、つぎにやってほしいのが不幸な未来を思い描くです。
「え?そんなん嫌や・・・ただのネガティブ思考やん!」
と思われるかもしれませんがそうではありません。
これは決して鬱・メンヘラや不安症になれということを言っているのではなく、今自分が選択しようとしている選択肢がどんな将来の不幸を招くのか?を想像をしてみるのです。
例えばですよ。
よく、僕のもとには結婚していて浮気をした別れを告げられた。
みたいな相談がきたりするのですが、「また同じ状況になったらすると思いますか?」と言われた時ほとんどの人がまたするかもしれない・・と言ってました。さらに「また離婚を告げられたいですか?」というと「いいえ」と応えました。
これは正に損失回避がうまくできない状態なわけです。
そういう時に「今このまま肉体関係をもったら将来どうなりそうか?どんな不幸を招きそうなのか?」と一度考えてみると思いとどまることができたりするわけです。
逆にそれを覚悟の上でやる事を選択をした。
のならば、その後に問題になる確率や後悔する確率はかなり減るわけですがこのように「今自分がこの選択をしたらどんな不幸があるのか?」を明確にイメージしてみてほしいのです。その上で決めれば「場に流されて選択した事」ではなく「自分で選択したことだから!」と納得した決断ができるようになり損失回避のバイアスからも逃れやすくなるのです。
以上2点。
損失回避のバイアスにはまらず適切な判断をすることができるようになるために
・自分にバイアス(思い込み)が働いている事に気づく
・不幸な未来を思い描いて冷静に判断できるようにする
この2つをしっかりと意識していきましょう。
これだけでも以前よりもいい恋愛ができるようになったりモテるようになるはずです。
損失回避を恋愛で活用する為の方法とは?
ここまで読んだあなたならばもうお分かりかと思いますが、損失回避バイアスというのは、合理的(思い込みを抜いて客観的に見る)な判断を邪魔するのを邪魔する1つのバイアスです。
そのため、基本的にバイアスだと気づいてしまうと・・・
思い込みだったんだ!勘違いだったんだ!
ということに気づいてしまえば損失回避の法則というのは意味を成しませんのであまりオススメはしません。
が・・・実をいうとほとんどのカップルや夫婦が損失回避でないバイアスで相手を選んでいるパターンがほとんどだったりするし別れるカップルのほとんどがバイアスによる勘違いから別れているパターンがほとんどなのです。
そのため、この損失回避の法則を無意識的に使ってたりするんですよね。
よく言われている押して引くとか。
仲良くなり好意を示したけど恋愛対象ではないから振った・・
でも、会えなくなるかもしれないという状況になって
「この人が自分にとって必要な人かも!?」と思った。
とか。
ただ、もっとわかりやすく恋愛で使うのならば相手の心理状況によって戦略を意識することを考えるところから損失回避の法則を活用するところから活用してみてください。
例えばですよ。
先ほどの例だとお金でしたが、これを誰かからの愛情に飢えているのか飢えてないのか?で見てみると・・・
満たされている人は、
“確実に得られる常に親切な人(しっかりと信頼関係を構築する戦略)”
を選ぶ傾向がある。
メンヘラや孤独を感じている人は
“まだよくわからなくても運命っぽさを演出する(短期的な戦略)“
のほうを選ぶ傾向がある。
というように分けて考えてみるとか。もっと具体的にすれば、確実にリスクがないということを感じてもらってから誘うのか、ノリと勢いだけで誘うのかの違いが出てくるのです。
相手の女性のおかれている状況や心理。
によって損失回避の法則が使えるのです。
他にも、略奪愛の場合とかも一緒で、どれだけ彼氏の愚痴や文句を言っていたとしても浮気をしていたとしても、あなたと付き合うという利益よりも別れるという損を取ってしまう可能性が高いので、まずは彼氏との関係に溝や亀裂を生み出すのを待つところからスタートするのです。
そういった状態になるあなたと付き合ったら彼との間にある悩みや苦悩・不安から解放される可能性に賭ける事ができにくいんですよね。
なぜなら“飢えている状態・現状に損失が大きい状態”ではないからです。
このように相手の現状、心理的な状態によって損失回避の法則を意識して使ってみるところから、まずは始めてもらえばいいかなと思います。それよりも大事なのは・・・やっぱり自分自身が損失回避バイアスにかかってしまうことに気づく事ですね。