性的相補佐とは?相違は魅力となる。
性的相補佐というのは一体何か?
と言うと一言で言えば「性格が似た者同士は夫婦には不向き」「違うほうが夫婦関係は補佐しあえる」というものです。
これはアメリカの心理学者のウインチ博士が研究の結果に提唱された概念で、
・亭主関白の夫と三歩後ろをついて歩くような男性をたてる妻はとても良好な関係を続けている可能性が高い。
逆に
・気の強い男まさり妻と頼りなさそうな夫もうまくいく可能性が高い。
というもので、一緒の人を選ぶよりも違う人を選んだ方が歯車がガッチリと噛み合うという概念です。
つまり・・相違点があるほうが互いに補い合えるのです。
例えば上の概念だと、どちらも気が強いと・・
互いにブツかりあいになってどちらも引かなくなりますよね。
逆にどちらも一歩引くみたいになると、互いに優柔不断な状態なのに何も決まることなく、自分では何も動けないので結局何もできなくなってしまいます。
そして、こと恋愛においては
この性的相補佐の相違の部分が「魅力となる」
とも言われています。
以前、類似性に関する記事で、相手と仲良くなれるかどうかは類似性があるかどうかで決まるというお話をしましたが、類似性だけでは基本的に恋愛に発展することなく仲良くなるだけで終わってしまう可能性があるのです。
なぜなら、
予定調和を壊す事ができないからです。
類似しすぎていると一緒にいて安心感は感じられると思いますが、物事が予定通りに進んでしまう事に刺激がなくなってしまうからなのでしょう。
しかし、相違があるほうが予定調和が崩され刺激になるのです。
つまり・・・
この性的相補佐で言われる相違というのは、結婚や付き合ったらうまくいくために必要なものというだけでなく、恋愛感情を生み出すためにも抑えておきたいポイントなのです。
よく、好きにさせるためにあれもこれも相手に合わせる。
ようなことをしてしまう人がいますが、これは基本的にうまくはいきにくいのです。
だから・・
・類似点で安心感を感じてもらった上で
・相違点により刺激を与えていく。
というのが基本的な恋愛の戦略になってくるのです。
しかし、付き合ってから・・結婚してからこの相違点はほとんどの場合、別れの理由となるのです。
相違点で恋をし相違で別れる男と女
※婚姻関係事件数 – 裁判所を参照に作成
さて、上のグラフは離婚をした夫婦の離婚理由ですが、見てもらえばわかると思いますが「性格の不一致」が一番多いですよね。
カップルもほとんどの場合は価値観の不一致などで別れるパターンがほとんどです。
はて・・・おかしいですよね。
性的相補佐というのは性格が違うほうがいいと言われているのに、なぜか離婚の理由第1位が性格の不一致なわけです。
不思議ですね。
実際、僕はこれまで500人向けのパートナーシップに関するセミナーをやってきましたが・・
・現在のパートナーのどういうところに恋をしましたか?
・現在のパートナーに関して何が不満ですか?
という質問をすると大概の場合一致しているのです。
もちろん全く同じ回答ではないですよ。
しかし、
・恋した理由:頼ってくれたのがうれしくて・・
・不満:依存されるのがキツい。
というように好きになった要素を不満を抱くわけです。
そして別れていくのです。
つまり、ほとんどの場合カップルや夫婦というのは、相違に恋をし相違で別れたり離婚に至り「やっぱり似ている人がいいよね!」となって自分と似た人を探そうとするのです。
でも、そもそも僕達人間というのは・・
どれだけ似ていたとしても、そもそも違う部分は必ず存在します。
これは、類似性でもお話をしてきましたが、僕ら人間は全ての人が似ている部分があったとしても細かく見ていけば必ず相違の部分はあるんですよね。
同じ野球好きでも・・・。
・好きなチーム
・好きな選手
・好きになったキッカケ
・好きになった理由
も違うのです。
どれだけ似ている相手を選んだとしても基本的に違う部分は必ず存在するのです。
だから、、、
一見、似ているという理由で付き合ったとしても・・必ずと言っていいほど違いはうまれるのです。
では、なぜ性格の不一致で僕ら人間は別れるのでしょうか?
それは、「互いの性格や価値観の不一致」を互いに自分と一緒にさせようとし、違いを活かすという行動ができないからなのです。
そもそもこの性的相補佐。
というのは、違いを補い合う。
という考え方からきていて、良好な夫婦関係を築いている人から生まれた概念なので、ほとんどの人がそれができずに互いに自分に合わせようとしているから「性格の不一致」という理由で別れる事になっていくのです。
互いの違いを自分に合わせようとするのではなく
互いの違いの特徴を活かしよりよい人生を一緒に
創っていくのが円満の道である。
ということを言っているのです。
つまり・・・最高のパートナーシップというのは
類似でつながり相違で認め合い始めて魅力を感じる・・・
だから、性的相補佐ができているカップルや夫婦というのは良好な関係を構築することができるのです。
そして、これは恋も一緒です。
類似性だけでは友達どまりになってしまいかねません。
だから、いかに
・類似性の中に相違点を見つけ出せるのか?
・相違点から類似性を見つけ出せるのか?
が非常に重要になってくるのです。
そして、
類似性でつながりを持って相違を尊敬し感謝をすることができるのです。
そして活かす事ができる。
でも、不思議となぜか僕らは相手を自分に合わせようとします。
「いや、そんなつもりは・・」
という人もいるかもしれませんが、自分の提案がとおったり、自分の思い通りになった瞬間に相手が不快な感情なのに優しくなり笑顔になったり満足したりするのならば、
まず、最低でもあなたから相手と類似している部分と相違している部分を見つけ出せないとこれは難しいはずです。
・自分と相手の違いがあった時に・・・合わせる・凹む・攻撃的になる。
・類似性があったときに・・・・・・・安心する・満足する・喜ぶ
みたいなことをしている限りこの性的相補佐の状況は作れません。
意見が違っているから黙るとかも一緒です。
性的相補佐は、対立を統合できるようにならないといけないのです。
これはそう簡単ではありません。
なぜなら、今自分の頭にある回答では足りないからなのです。
相手の意見や主張を聞いて特徴を見つけ出し自分の特徴と合わせて1つにする。
という過程が必ず必要になってきます。
しかし、これができるようになれば「喧嘩や言い合いとか文句」みたいなものでさえも解消できるようになるのです。
笑って終わらせられるんですね。
喧嘩して謝って仲直りしてまた同じことのループ。
喧嘩するのに飽きて無視して亀裂や溝がうまれる。
解決策だけ提示して心理的に距離がうまれる。
みたいなことはしなくなりますから。
だから、この性的相補佐という概念は非常に重要だし、これができるようになると付き合う前の段階でも自分をどう魅力的に見せればいいのか?相手の魅力がいかに素晴らしいのかを自然と探し出せるようになります。
褒め言葉も普通じゃない褒め言葉が自然と出てくるんですね。
なので、性的相補佐そのものは覚えなくてもいいので「相違点」がいかに僕らにとって大事なものなのかは覚えておいてくださいね。
違いを見つけ・・・活かす。
ここにたどり着くために徹底的に対話を続けてみてください。
仕事でもプライベートでも人間関係でもコミュニケーション能力が格段にあがるはずです。