初頭効果と親近効果とは?
人に与える印象をどう操作をするのか?を考えた上でこの初頭効果と親近効果は非常に重要です。
よく、恋愛に関するコンテンツを発信している人が「デートは最初と最後が肝心!」と言っていますが、正にこれは初頭効果と親近効果の事を言っているのです。
では、それぞれどういう意味なにでしょうか?
初頭効果とは?
あなたは面接官です。どちらの男性のほうがパッと見で仕事ができそうですか?
初頭効果というのは、「最初に与えられた印象が残りやすく後の判断や評価にそのまま影響を与える」という心理的な現象の事です。
つまり、初めの印象が”いい人”ならば後にちょっと悪そうな行動をしてもいい人という印象はそう簡単には変わりにくいということですね。
最初がオセロの白だと判断をしたら相手が一度や二度程度黒を置いたとしても白だと思い込みやすいという心理現象なんです。
例えるのならば・・・
初対面で笑顔が凄い可愛い女性がいたとしてその女性の印象が
「めちゃくちゃいい子だ!優しくて思いやりがあって謙虚で・・」
というものだったとしたのならば・・・
たとえその女性がくだらない理由でご機嫌ナナメだったとしても
「きっと俺が何か悪い事をしたからじゃないか!?誰だこの子を傷つけたのは!」
と思い込みやすくなるのです。
この心理効果はゲシュタルト心理学者であるソロモン・アッシュ氏が1946年に行った印象形成の実験によって提唱されました。
実際の実験は以下の通りです。
Aの順番の性格特性を見たグループは、この人物に好印象を受け結果になったのですが、これは一般的にポジティブなイメージを生む知的という形容詞を最初に提示されたことによって”多少のマイナス面があっても能力がある”と印象が残ったのです。
一方でBを見た方は逆に悪い印象を受けたのです。これは嫉妬深いというところが提示されたことによって「実力があっても性格に難があるといった印象が残ったわけです。
つまり、初頭効果というのは”最初の印象の記憶が後のあらゆる印象に引きずられる傾向が僕ら人間にはあるのです。
なんとなくわかりますよね。
この実験からわかるのは”最初にうけた印象がその後に影響を及ぼす”ということ。
最初の印象による思い込みによって最初の印象を軸にして解釈をしてしまうのです。
先ほどのBの例で言うと
Aの方は、知的で勤勉だからこそ努力家で色々考えるから時として批判的にもなるし頑固にも見らがちな人。
Aの方は、嫉妬深くて頑固で人の批判をすることに対して勤勉で知的でいやらしい人。
というように受け取られがちなのです。
前者は能力を最大限生かしているけど弱点もある人間らしさを感じて、後者は実力はあるだろうけど能力を活かしきれていない人というように見られがちなのです。
これを心理学用語で”確証バイアス”と言います。
よく、詐欺師であるほど最初に身なりを整えてブランド品で身をまとったりしますけど、たとえ少し疑われても最初の誠実そうな印象によって騙されやすくなっているんですね。
恋愛ノウハウとかもファッションを変えようとか清潔にしようと言われているのは、男女関わらず僕ら人間は”確証バイアス”があるからなんです。
そのため最初に印象をよくすることは非常に重要になってくるわけです。
親近効果とは?
もう帰る時間の直前の男女です・・さて、どちらのほうが男性に対する印象がよくなるでしょうか?
先ほどの初頭効果と真逆の効果として1976年に心理学者のN・Hアンダーソン氏が実験によって提唱したのが親近効果です。
この親近効果というのは、初頭効果の”初めの印象”ではなく”最後に示された特性が印象として記憶に残りやすくなり後の判断に大きな影響を与える」という心理効果です。
よく、終わりよければ全てよし!
とか言う人がいますが正にそれですね。
初頭効果というのは最初の印象によって後にその印象が後に響くという効果でしたが、親近効果の場合は最後の印象がその後に響いてくるという効果です。
最初は全然印象に残ってなかったけど帰り際に
「実は話したかったんですが立て込んだ話をされていたみたいなので・・」
と最後に笑顔で握手を求められて
「あの人実はめっちゃいい人なんじゃない!?」
となる
よく、ドラマとか映画でヤンキー同士が喧嘩をして殴り合った後に落ち着いて話す事によってマブダチになるというストーリーがありますが正にそれですね。
オセロで例えれば、全部黒だったのを最後の白を置き最初の黒の印象を白に変えればすべてが白になるというパターンみたいなものです。
この実験は次のとおりです。
この実験から
「人は違う情報源から多くの情報を与えられた時、最後に得た情報に影響を受けやすい。」
ということがわかったのです。
つまり、混乱しているときほど決断を迫られる時であるほど直近の情報を判断材料にしがちだという事です。
あなたもこれはあるはずです。
例えば、外食をした時に注文した食事がちょっと遅れて不満に感じてたけど、会計の時に丁寧な謝罪をされ食事の割引券を手渡されたら・・逆に印象がよいものにかわったりとかあるはずです。
このように印象悪いことがあったとしても親近効果によって印象は上書きされるという特性があるのです。
このように、僕らが他者を評価したり印象を決定したりする際には、この「親近効果と初頭効果」の2つが働いているのです。
とは言っても、どっちが大事なんだよ!?
という話になるかもしれません。
しかし、どちらも意識しておいて損はないわけだから両方大事にしたほうがいいです。
最初の印象は悪いよりもいいほうがその後のコミュニケーションもうまくいきやすくなるし、最後にいい印象を残せるのならば次につながるわけなので意識したほうがいいです。
つまり相手に与える印象というのは
”最初と最後の両方とも意識をする”
ことが大事だという事です。
どっちが有効なの!?とか考えるのはやめておいたほうがいいかなと思います。
初頭効果と親近効果にはまりやすい人
この初頭効果と親近効果が怖いのは、僕ら人間すべての人がはまってしまうのであなた自身もはまってしまう可能性があるということです。
めっちゃ自分好み以上の異性と出会って
「この人以上の人はいない!」「めっちゃいい人だ!」
みたいに錯覚をしてしまうとか。
仕事とかでもイケメンってなぜか仕事ができると判断されがちだったりするとかも結構あったりしますのであなた自身もはまる可能性があります。
めっちゃ可愛いと惚れて金欠になるまで貢いでしまった。
めっちゃいい人だと判断したけど超メンヘラだった。
とかなりかねませんしね。
実は初頭効果と親近効果というのははまりやすい人が結構いたりするのでここでは使う側に回る際もご自身がはまらないためにも覚えておくといいでしょう。
頭の固い人には初頭効果は継続する
一度自分が思い込んだこと、例え反対の証拠や理屈を提示をされたとしてもその話に耳を貸さない人などは、最初に「この人はいい人だ。」と思い込んだら継続的にその印象を信じ続ける傾向が高いです。
意見の否定や批判を人格否定と捉え不快な感情を即座に感じる。
怒りや悲しみに過剰な反応を示して判断能力が欠如しやすい。
過去の栄光や武勇伝にすがる傾向がある。
する人が結構多いです。ようは頭が固い人です・・・
そういう人ほど一度信じた思い込みを永続的に信じる傾向があるので初頭効果は非常に有効に働く傾向が高いです。
しかし、頭が柔軟な人は初頭効果で「この人はいい人だ!」とは思わず「いい人そうだ。一体どういう人だろう」「こういう部分ではいい人なんだな」というように考えることができるようになったり疑問を抱くことができるので初頭効果は長く続かない傾向が高いです。
認知的複雑性が低い人ほど親近効果は効果的
認知的複雑性というのは、一言で言ってしまえば情報が多すぎたり情報が複雑なものを認知できる能力ですが、このように認知的複雑性の低い人というのは「脳みそをエコモード」にしてしまうので極端な選択・判断をする傾向が高いです。
オールオアナッシング思考の人はこれに当てはまりますね。
私達人間が生きる中でおこるありとあらゆる現象は、見方によって全く違う認識をすることができるのですが、この見方が1つしか持てない人ほどこの親近効果にはまりがちです。
例えば、喧嘩をしたけど仲直りした!けど何も問題が解決してないのに「まぁいっか!」「仲直りしたじゃん!」となったりします。
DVもそうです。
恐怖を与えているけど結果優しくなったからいいじゃん!謝ってくれたからこの人はいい人だという心理になるのは認知的複雑性が低くなっているから親近効果が働いていると言えるのです。
そういう人ほど親近効果が有効に働きやすいです。
2-3.あなたの関心度の高さによって使い分ける
そして、最後にこの親近効果と初頭効果をあなたが使う上で覚えておいてほしいことがあります。
もちろん両方を使った方がいいのですが、どちらを優位に使えばいいのか?というとあなたが相手にどれくらい関心があるのかによって使い分けたほうがいいでしょう。
これはなぜならば、
初頭効果のほうが冷めるのが早くなりやすく。
親近効果のほうが比較的長く続く傾向がある。
初頭効果のほうが第一印象磨くだけで楽で
親近効果のほうは中身勝負の部分が出てくる。
からです。
実際、このサイトでもとにかくヤリたい・寂しさを埋めたい・セフレが欲しい場合などには初頭効果中心の戦略を提示しており、彼女が欲しい・好きな女性と付き合いたいなどの場合には親近効果を特に重要視した戦略を提示しています。
あなたの関心度の高さに応じてどちらを優位に使うのかはよく考えてくださいね。
その上で、どちらも重要だということを忘れずに使いこなしていきましょう。
以上、この3つを意識して初頭効果と親近効果を状況や相手に応じて活用していきましょう。実際にあなたが初頭効果と親近効果にはまりやすそうならば気を付けてくださいね。
ちなみに「俺はかからない!」
という人ほどどちらかに気づかぬうちにかかりやすかったりしますのでご注意を。
かかりににくい人ほど「俺のこの判断はどうなんだろうか?」と自分に問うクセがあるからはまりにくいだけで、そもそも僕ら人間は初頭効果・親近効果にかかりやすい生き物であるということを前提においておいたほうがいいです。
大事なのは気づく事です。
人間である限りバイアス(思い込み)が生まれるのはどうしようもないのです。
初頭効果と親近効果を恋愛で活用する秘訣
では、この初頭効果と親近効果を恋愛でいかに活用していけばいいのか?についてここではいくつか例題や使えるテクニックなどを紹介していきます。
ポジ→ネガ→ポジの順
初頭効果と親近効果の両方を使った場合、最初と最後を印象をプラスに働かせればいいので、最初の印象と最後の印象をよくしておけばオッケーということになりますが、最初の印象が超よくて関わる中で暴力しまくりで最後に優しくする。みたいなのは流石に厳しいかもしれませんが・・・
いい印象→自虐ネタ→いい印象
ならばいい感じになるはずです。
このように全体として使うこともできるのですが、会話1つ・誘う時・デート1回でもこの流れを意識はしておいたほうがいいです。
もうちょっとわかりやすくすると・・
・メリット→デメリット→メリット
・快の感情→不快感情→快の感情
・楽しさ→ストレス→安心感
とかですね。
このように出会いからデート、誘うときなどにこの順序を意識して親近効果と初頭効果を使っていきましょう。
ピークエンドの法則とハロー効果
先ほども言いましたが、どれだけ初頭効果と親近効果があるとは言え・・・中は考えず適当にすればいいというのは個人的にはあんまりよくないかなと思います。
つまり、最初とし最後だけ優しくして・・・
途中段階では何も考えずかなりひどい事をしてしまえば・・
最初はよくても長期的な関係になれば印象は悪くなりかねません。
そのため、最初と最後さえよければオッケーみたいなのもアリですけど、初頭効果で代表的なテクニックであるハロー効果と親近効果をより発展させたピークエンドの法則を使うのもいいです。
ピークエンドの法則というのは人はほとんどの経験をピーク(最も感情が高ぶった瞬間)とエンド(最後の印象)度合いで判断する心理的な傾向のことです。
そのため、
最初→中(ピークを1作る)→最後
この3つでいい印象を残すことによってより強くあなたの記憶が残るようになるはずです。
「ですが、」「だから、」を使う
よく、自己アピールをする人がいますが、そういう場合は初頭効果で自己アピールをするのはあまりオススメしません。
僕は金持ちです!とかいうのではなく持っている物とかでアピールしたほうがいいし、それはそれでギラギラになりかねないのでさりげなくブランドものを持っているというようにしたほうがいい場合もあります。
自分で自分のメリットを伝えるくらいならば親近効果のほうが効果的です。
そのため自己アピールは他人にしてもらえるようにしたほうがいいです。
「●●さんって仕事すごいできるって聞いたんですけどできそうですよね!」
「ですが、僕は面倒くさがりで何もしたくないんですよ。」
「だからこそ、どうやったら効率的にできるのか徹底的に考えるんですよね。」
このように、ポジには「ですが」を入れてネガにしてポジにする。
「●●さんってチャラいですよね。」
「そうそう。だからこそへんに恋愛対象に見られないからいいんだよ。」
「チャラいと思ってくれいたほうが君みたいに深く関わろうとしないでしょ。」
「でも、君とはもっと知りあっていきたいなと思うけど。」
このようにネガには、「だから」を入れて肯定して結果的にポジにする。
というような使い方もできます。
親近効果や近接効果を相手からの印象によってどちらにも働かせることができるようになります。大事なのは印象がいいとか悪いとかよりも「いかに良く見せるのか?」が大事だということはお忘れなく。
以上3つの恋愛で使える方法を紹介しましたが是非あなたなりに活用してくださいね。