影響の輪・関心の輪というのは、組織行動学の教授を務めるスティーブン・R・コヴィー博士が提唱した1500万部突破の書籍にもなっておりワークシップなどでも解説されている7つの習慣の1つで”主体性を発揮する”ために使われている概念です。
この概念は非常に重要で自分自身の人生を変えたい!よりよくしたい!
と思っているのならばこの概念は最も重要になってきます。
この概念がしっかりと脳にインストールされている人は、逆境を乗り越えられやすく自分自身が納得した人生を生きられる可能性がかなり高いです。
そのため、今日はこの影響の輪と関心の輪について解説をしていきます。
影響の輪と関心の輪とは?
(状況や出来事にフォーカスをあてるのではなく、自分の影響力の輪の範囲に
フォーカスを当てる事によって状況や出来事を変える力になる。)
まず、こ影響の輪と関心の輪を一言でいうと
=自分の内側(行動・判断・考え方・過去の体験・フォーカスを当てる場所)
関心の輪
=自分の外側(出来事・相手の反応や態度や欠点や気持ち・世の中の情勢)
です。
自分の外側であなたから見たもの全てが関心の輪で、それら見たものをあなたの頭の中でどう処理して働きかけをおこなっているのかが影響の輪ということになります。
で、自分の人生を変えたいと思っているのならば・・
影響の輪にフォーカスを当てたほうがいいです。
一見、関心の輪という言葉を見ていると関心の輪のほうが素晴らしいし大事だと思われがちですが・・・
確かに他者に興味や関心を抱く事は大事な事ではあるのですが、何かを変えようとする際、よりよくしようと思う際に関心の輪に働きかけようとしても・・・
あなたの人生は望む方向には向かわないのです。
なぜなら、あなたが影響を与えることができないからです。
よく、会社で「給料があがらない」「仕事やる気がしない」「上司が無能だから」と愚痴や文句を言ったり、異性に対して「こうしてほしい」「ああしてほしい」とかいう人がいますがそのほとんどはあなたが直接的・間接的に影響を及ぼすことができないのです。
例えば、
「あぁ、天気悪いから晴れにしよか!」
なんてできやしませんよね。
別に今のままの人生でいいのならばそれはそれでいいです。
しかし・・・なんらかの夢や目標があるのならば、問題を解決したいと思っているのならば自分が影響できないことばかりに意識を向けアクションをしてもうまくいかないスパイラルに陥ってしまいやすくなり行動が規制されていってどんどん自ら影響の範囲を狭めてしまうのです。
例えば、彼氏持ちの女性を好きになった。
その女性は彼氏の愚痴を言っていたから俺にしろよ!
とアプローチをしていた。
彼女が不快そうならば気を使ってあれやこれやしてあげて
反応1つ1つ気にして態度をコロコロと変えたり・・
でも自分を選んでくれない彼女に
「なんで俺はこんなに君を思って頑張ってるのにどうしてなんだぁ!俺と付き合えよ!」
なんて変えようとしても無理なわけです。
その女性の気持ちを変えようとしたり選択肢を変えようとしても不可能なのです。
これはあらゆる出来事でも言えます。
仕事も会社の人間関係も、収入も恋愛も全てこの関心の輪に働きかけを行おうとすればするほどあなたの人生は流されるがままになってしまう可能性があがってしまうのです。
流されるがまま=受動的
なので起こったことにただ反応をするだけになってしまうのです。
更にそこにフォーカスを当ててしまえば、環境が悪い・他人が悪い・世の中が悪いというような他責傾向になってしまいます。
更にそこから抜け出せずに何も変えることができないのです。
しかし、同じような状況であったとしても、あなた自身が影響の輪の中の部分に集中をすることによって自分自身の問題だと捉え
✓物事の見方を変えてみて
✓自分の状況を一度整理して
✓思考プロセスを変える事で
✓自分の判断を変えて
✓言動を変えることによって
✓関心の輪へのアプローチが変わる
のです。それによって自分自身の行動に責任がもてるようになるので納得した選択ができ、自分の振る舞いを変えることによって関心の輪に対する影響が変わって現実も変えることができるようになるのです。
これができるようになると主体的に生きる力が増していくのです。
つまり、影響の輪というのは主体的に生きる力・関心の輪というのは受動的に生きる力なのであり、恋愛でもビジネスでも何でもそうですが・・・あなたが集中すべきは関心の輪ではなく影響の輪なのです。
自分が望む現実を作る為に影響の輪を広げる
影響の輪の中にフォーカスを当てることは非常に大事な事ですが、これを誤解して受け取って「自分が今できることだけをやろう」「今のままの自分でいよう」と受け取ってしまう人も多いかもしれませんがそうではありません。
それだと自分の影響の輪は大きくなるどころか小さくなってしまいます。
影響の輪というのは大きくしていく必要があるのです。
そして、もっと言えば自分が望んでいない現実に向かって影響の輪を大きくしようとしてもあまり意味がありません。
例えば、お金を得てもっと自由に生きていきたい。
と思っているのに独立起業をして人を雇い必死に働き別に自分には興味のない信念もなくリスクの高いビジネスをし毎日忙しい日々を送っている・・・これは決して望んでいる方向に影響の輪を広げているとは言えないですよね。
影響力の輪というのは、自分の望む人生を現実化に近づけるために・・・
上の図のように広げていくのです。
自分が求めているものは避けたいもの、そして手にしたいものの為に・・・
・過去の出来事・・・・・「また起こる」「ショックだ」「最悪だ。」
・他者のモチベーション・「ヤル気がない」「嫌われた?」「もっと優しくしてほしい」
・経済状況・・・・・・・「お金がない」「給料が少ない」「不況だ・・」
・他者の能力や欠点・・・「あの人の●●がダメ」「この人はこれしかできない。」
・他者の気持ち・・・・・「どうせこう思ってる」「嫌われたらどうしよう」
ということを考えたりそれを何とかしようとする以前に・・・
・過去の経験からの学習・気づき・・・・・これによって私は何を学んだのか?
・時間やエネルギーの投資対象・・・・・・今自分は何に集中すべきなのか?
・自分の行動パターン(習慣・チャレンジ)・どういう週間を手に入れよう?
・自分の言動や態度や姿勢・・・・・・・・自分はいつもどんな言動・態度だろう?
その過程で、知識を学んだり知恵を活かし自らの言動が結果的に変わり行動が変わり現実も変わっていく・・・この繰り返しをすればするほど、あなたの影響力が及ぶ範囲はどんどん大きくなります。
まずは自分から変わるのです。
よく、こと恋愛においても人間関係においても、、、騙されやすい人・ヒドイ扱いをうけてしまう人・イジメやDVをされるようなことが繰り返しおこる人は関心の輪に目が行き過ぎてしまって影響の輪にフォーカスを当ててなかったりします。
こんな事を言うと
「そんなヒドイ!?自分が悪いっていうんですか?」
と思われるかもしれません。
しかし、そうではありません。
実際に僕もイジめられていた時期もありますし、DVをされてた人とかも沢山見てきましたが影響の輪にフォーカスを当てる事によってDVをされなくなったしそういう人と関わらなくなったとかも結構あるのです。
これは本当にあらゆるところで使える概念なのです。
とはいっても、、
この影響の輪というのは自分自身の内側の事であり・・
それが言動や態度に現れているので線引きが非常に難しいんですよね。
どこからが関心の輪か?どこからが影響の輪か?の判断が非常に難しいのです。
それに、もっと言ってしまえば受動的に生きるということは「流れにただ身を任せるだけ」になってしまうので「何もしない」「何も変わらない」選択を延々と続け環境や人に依存をするだけになるので、それはそれで微妙なのですが・・・
しかし主体的になってしまうと・・・
「自己中になってしまって周囲を振り回してしまいかねないんじゃないか?」
というように思われる方もいるかもしれません。
しかし・・・そうではないのです。
本当の自立心とは何か?
この影響の輪と関心の輪だけの説明だとどうしてもそうなってしまいかねません。なぜなら、この説明だけだとどうしても関心の輪に関しては完全に無視をして影響の輪に集中しろ!という主張に聞こえてしまうからです。
確かに影響の輪だけを中心に考えてしまうと・・
どうしても関心の輪の事は何も考えなくてもいいように思われがちです。
まぁ、もちろん最初はそうなるはずです。
しかし、自分自身を満たせない者に他者を満たすことなどできやしないし、自分の人生を変えられず誰かのせいにしたり環境のせいにしたりして何もできずに日々を過ごすのは誰の為にもなりはしません。
それよりも主体的に生きて自分らしく生きたほうがまだましです。
もちろんその中で受動的な人が振り回された感を感じる事もあるかもしれません・・
でもその人はその人生を自ら選んでいるのです。
主体的に生きて誰かをただ単に振り回し相手に大きな負担を与える人は・・
関心の輪を全く見てないだけです。
あくまで中心として考え意識すべきは影響の輪。
しかし関心の輪に目を向けないのは違うのです。
周囲の反応を見ながら自分が何をすべきか選択する力。
そして、自分が向かいたい方向に向かう力として影響の輪は大事なんです。
これを能動的と言うのです。
よく自立をするとか自立が大事だという人がいますし
自責が大事だとかいう人もいます。
でも、自立した=全部自分でやるわけでもやってると錯覚することを自立というのではないし、自責=全てが自分の責任だと捉えて凹み落ち込み罪悪感にさいなまれることでもないです。
自分の責任と他人の責任をしっかりと分けて考えて
自分の責任の部分をなんとかしていく事。
そうやって、自分の物事の捉え方や考え方を変えて
選択・行動を変えていき自分の望む現実を作っていく・・・。
その過程で自分と同じように苦労はしますが他の人も頑張ってるし努力をしていて
助けられているんだという他者の気持ちがわかって自然と感謝の気持ちが沸いてくる。
そういうものなんじゃないかなと思うのです。
それが本当の自立であり自責なのです。
「自分で決めた事に自分で責任を持つ」
「自分の選択に自分で責任を持つ」
「自分の言った事に自分で責任を持つ」
「自分の人生の判断は自分がする。」
「おこった出来事を自分事として捉える」
これを言われると「そんなん当たり前じゃね?」というと思います。
でも、これって簡単そうで非常に難しいんですね。
なぜなら、関心の輪と影響の輪をしっかりと分ける事ができないからなんです。
そのためには、怒ったでき事全てに対して
「自分が100%悪いならこことこことここ!」
「相手が100%悪いならばこことこことここ!」
「環境が100%悪いならばこことこことここ!」
の両方を言えるようにならないといけません。
漠然と自分が全部悪いんだぁ~とかいうのも相手が全部悪いんだぁ~とかいうのも違うんです。
これができてないのに自分は何を選択するのか?は決めることができません。
そのためには影響の輪と関心の輪の境界線をしっかりと線引きできるようになることです。
この関心の輪と影響の輪というのは、その境界線をしっかりと引くことができる非常に有効な概念です。どこからが自分でどこからが他人なのか?を見極めるために是非活用することをオススメします。
それだけで、これまでよりも多くの事に気づけ自分が今何をすべきなのか?
に徹底的にフォーカスすることができるようになるので誰かに振り回され誰かのせいにするような流される人生から抜け出すためにも、必要以上に自分を追い込むようなことをしないためにもこの関心の輪と影響の輪の概念をクセになるまで習慣化して考えられるようになってください。