バックトラッキングとは?その意味
正直言って、このバックトラッキングは非常に重要なコミュニケーション術で、営業や恋愛や人間関係構築はもちろんのこと、カウンセリングやコーチングの場面でもかなり使われているスキルです。
では、バックトラッキングとは何なのでしょうか?
これは一言で言ってしまえば、日本語で言ってしまえば・・
ただの相手の言った事を返す“オウム返し”です。
普通なら
「今日ね。友達と飲みに行ってきたんだ!」
「ふーん。」
という感じかなと思いますが、バックトラッキングを使うと
「今日ね。友達と飲みに行ってきたんだ!」
「そうなんだ、飲みに行ったんだね。」
というように相手の言った言葉を返していく感じになります。
このバックトラッキングを使うと、相手に「あなたの話を聞いていますよ!」という合図になるので、相手も聞いてもらっている感覚を感じ話しやすくなるので会話を進展させるためには必要なスキルなのです。
ただ、そのまま返すんだ!
みたいに捉えると
「今日ね。友達と飲みに行ってきたんだ!」
「今日ね。友達と飲みに行ってきたんだ!」
というようなただサル真似をしてしまいがちですがそーではありません。
情報の一部を抜き取ったり要約して返すのです。
「なるほど!バックトラッキングは相手の言った事を省略したり抜き取ったりして返す事なんですね!」
「そうそう。そうなんです!!」
という感じですね(笑)
これ要約になりますね。
このようにバックトラッキングができるようになると相手はしっかりと自分の話を聞いてくれているんだという感覚を感じられるので営業や人間関係や恋愛、職場のコミュニケーションを円滑に進めるために有効なので是非使えるようになっておいてください。
バックトラッキングが与える効果
では、一体バックトラッキングというのは一体どんな効果があるのでしょうか?先ほど、「相手の話を聞いていますよという合図」と言いましたが、バックトラッキングの効果はそれだけではありません。
まずは相手に与える効果を紹介していきましょう。
僕達人間は思った以上に他人に興味を持つことができない生き物で、バックトラッキングもせずただ相槌をしたりYES・NO、はたまた自分の主張を言ったりただの聞き地蔵になったりします。
しかし、それでは相手は自分の話を聞いてもらっているという感覚は感じにくいのです。
しかし、このバックトラッキングをすると
“相手は自分の言ってる事などを要約してくれたり一部を抜き出して返してくれる”
ので、聞いてくれている感覚を感じられるのです。
そのため、このバックトラッキングをするだけで「聞いてもらっている」と感じ「しっかりと言ってる事を理解してくれている」という感覚を感じてくれるのです。
更にしっかりと聞いてくれているということはそれだけで下手に共感するよりも“存在そのものに対してYESと言われている感覚”まで感じられるようになります。
会話自体もバックトラッキングを入れている場合は、理解してくれていると感じることによって相手の心もオープンになって会話が展開しやすくなっていきます。
先ほど、バックトラッキングをすることそのものが、意見に対してYES・NOをしていないのにもかかわらず相手の話を聞いているというアクションによって、話そのものにYESと言っているわけです。
そのため、聞いて確認をした上で反対の意見や主張をしたとしても・・
相手は否定されたとか批判されたとか感じにくいという特徴があります。
例えばですよ。
「今日ね。友達と飲みに行ってきたんだ!」
「俺も昨日ツレと飲みにってさ!!」
これは、聞きもせずに自分の意見を言ってますよね。
これは話を聞く意思がないという批判・否定・拒否だと感じさせてしまうのです。
聞いていないという拒否を(笑)
しかし、
「今日ね。友達と飲みに行ってきたんだ!」
「そうなんだ、飲みに行ったんだね。俺も昨日のみに行っててさ!」
というように聞いている合図を送るだけで少しマイルドになるのがわかりますよね。
このようにバックトラッキングというのは、相手の主張や話を聞いていますよという合図になるのと同時に相手の話を肯定的に聞いていますよという合図になるのです。
更に、バックトラッキングのレベルがあがっていくと、相手の情報を上手に要約してオウム返しすることができるようになるので、相手は「自分の情報を整理整頓」することができるようになります。
僕達人間は実は自分が何を話しているのかわかっていなかったりします。
そのため要約をしてあげる事は相手にとって
自分の言っていることを確認する事ができるんです。
それによって、相手は自分自身が本当に考えていることや伝えたいと思っていること、大切にしている事に自ら気づくことができるようになるのです。
つまりバックトラッキングをすると相手は自分のアウトプット力があがるのです。
それはすなわち、あなたと話していると頭がよくなる感覚を感じ気づきや発見がおこるわけです。そういう人と話せると相手はこの人と話していると心地よくて発見がってすがすがしい気分になるので話しやすい特別な人だと感じられるようになります。
と、このようにバックトラッキングができるようになるとこのような効果が期待できるのですが・・
それだけではありません。
というかそのためだけにバックトラッキングを使っても大概の場合上手に使えない場合の方が多いです。
なぜなら、このメリットは
相手を心地よくするためでしかない
からです。
そのため、日常から使おうとせず口説きたい女性がいたり仲良くしたい人がいたりセールスで販売をするときにしかこのバックトラッキングを使わなくなるんです。
ではなく・・・バックトラッキングはあなたにとっても非常に大きな効果があるのです。
これを知っておけば
「うわっ!バックトラッキング習慣化しておかないと損だ!」
と思えるようになりバックトラッキングを使いたくて仕方なくなるかもしれません(笑)
相手の言っていることを返したりまとめたりすることで相手の話を理解していますよ!という合図にもなりますが、これは逆に言えばあなたも相手の言っている事を理解できるようになるということです。
勉強をする際には復習(反復)をしたほうが記憶が定着しやすい。
と言われていますが、それと一緒でバックトラッキングはあなた自身の記憶力や理解力までも高めてくれます。
全くわからなかったことがわかるようになったり今まで耳に入ってなかった部分がはいるようになることによって学習効果は何倍にも跳ね上がります。
誰かに教えを乞うてる時、相手が理解できない時ほどバックトラッキングは相手を理解するために必須のツールになるはずです。
それはすなわち、、、相手と同じ情報を共有する事になります・・・相手もバックトラッキングにより「情報共有」を確認できるので、そのため理不尽な要求ばかりされたりすることも減りフェアな関係を構築しやすくなるのです。
人は自分が複数回いうほど一貫性の原理がはたらいて口だけ状態を防ぐ効果もあり、あなたも確認をすることによって情報共有により裏切られることも減ります。
僕ら人間はどれだけ長く相手と一緒にいても、、、結婚をしても何十年来の親友であろうとも相手の事などすべて理解することなどできやしません。そして、相手の言っている言葉も実は10%も理解できていない場合が多いです。
自分の中で勝手な解釈をしてしまうものです。
そのため常に相手に興味や関心を示し理解しようとし続ける行為が必要になります。
バックトラッキングはそれを防いでくれる1つの手段です。
相手の言っていることを聞いてまとめることができるということは、相手の伝えたい事や意図を理解することにつながるので「あぁ、悪口言われていると思ったけどそうじゃなかったんだ!」と気づけたり、「なるほど、そういうことだったんだ!」という今までにない発見ができるキッカケになるのです。
などなどの効果があるのです。
それによって、あなた自身が他者との対立を解決するキッカケになったり、勉強の理解度を上げたり、仕事のハウツーをより高いレベルで学ぶことができたり、、、相手の事を誰よりも理解できる自分になったり、、、などなどの効果が期待できるのです。
つまり・・やらないと損ってことです。
そのため、相手の言ってることを理解する意識をもって使った方がいいです。
バックトラッキングをすると相手に好印象を与えられるのも確かですけど、それだと相手の言っていることや伝えたいことを聞き取る能力が低下してしまうのでもったいないです。
効果はなんとなくわかりましたか?
それではバックトラッキングの使い方についてもっと深めていきましょう。
3種のバックトラッキング
基本的にバックトラッキングというのは3つのパターンの1つを使ったり併用したりしてオウム返しをしていきます。ただのオウムのように返すのではなく下記の3つを意識して使うところからスタートしてください。
「と思ったんですね」「と感じたんですね。」
・出来事・事実のバックトラッキング
「があったんですね。」「という事がおこったんですね。」
・要約
「つまり〇〇で□□があって△△という事なんですね。」
要約に関しては確認のため質問形式で終わった方がいい場合もありますが、基本的にはこの3種のバックトラッキングを併用していきましょう。
気持ちのバックトラッキングは特に女性には使いし、男女かかわらずこれができるようになると「この人私の気持ちをわかってくれてるぅ~」となりやすいです。
「すっごいうれしかったの!」
「すごいうれしかったんだね!」
というように感情表現を言葉にするのです。
男性の場合は出来事を話す場合が多いので
「仕事で上司に罵倒されたんだ・・・」
「罵倒されたんだね。」
という感じになるかなと思います。
両方を組み合わせると
「罵倒されて悔しい思いをしたんだね。」
みたいになりますね。
そして、相手の話が長い場合は要約をしていきましょう。これはできるならば5W1Hにしてまとめるといいかと思います。
このように3つを意識してバックトラッキングをやるとかなり効果的です。
とは言ってもなかなか難しいかもしれないので、ここでは各種状況に応じてうまく使うためのポイントについて状況別にシェアしていこうと思います、
3-1.営業手法で学ぶバックトラッキング
営業でもこのバックトラッキングを使う方は多いはずですが、ルート営業か飛び込みかによっても違いますが、バックトラッキングは相手の情報を引き出すさいに使えます。
「最近〇〇に関して何かお悩みですか?」
「なるほど・・・■■で〇〇で△△なんですね。」
「では、それならば〇〇が一番いいかと思いますが・・」
というように、しっかりと聞いて要約した上で提案をするので「なるほど!確かにそれならば!」と思いやすいです。ただ単にクロージングをするよりもヒアリングがはいっているので成約率もかなりあがりやすいのはお分かりかなと思います。
3-2.LINE
LINEなどの文字情報の場合は、バックトラッキングはすごくやりやすいです。なぜなら、落ち着いて読み返すことができるので適切にこちらが理解しやすくなりますよね。普通の会話ならば、やはり聞き逃しなどがあって上手に要約とかできないのですが、、、LINEならできます。
何のためにLINEを使うのかにもよりますが文字情報は履歴を通じて相手の悩みを代弁したりすることもできるので、重要な話題はその場その場のLINEで返信するのではなく履歴を見たうえでバックトラッキングをするとうまくいけば“相手の言葉を使って相手の潜在的に求めているもの”まで見つけられる可能性があがります。
3-3.恋愛で使えるバックトラッキング
これは先ほども言ったように、相手が女性の場合は気持ちのバックトラッキングを意識するといいです。ここにペーシングなどを取り入れると一気に会話が盛り上がります。
「〇〇いってすごい美味しくてすっごいうれしかったの!」
「すごいうれしかったんだね!」
「□□があって〇〇って言われてすっごい悔しくて!!」
「すっごい悔しかったんだね!」
というように感情レベルでの共感がうまれるので女性も安心して話しやすくなるでしょう。
・・・というようにバックトラッキングは色んな場面で使えるのですが、できる限り日常から活用できるようになっておいたほうがいいです。
肝心な時に使いこなすことできないので日常から意識的に使うようにしましょう。
バックトラッキングを最速で身につける練習方法
さて、いかがでしたか?ここではラポール形成に役だち対人関係全般に使うことができるバックトラッキングに関して解説してきましたが、今すぐ練習をするとするのならば、
まずは
相手の話を聞くとき、映画を見た時、書籍を読んだとき・・・
キーワードを抜き出すクセを付けてください。
この記事での会話の例では全て下線を入れていますが、この下線の部分がキーワードを抜き出す力です。まずは相手の話を聞くときにキーワードを抜き出す意識を持ちましょう。
「□□があって〇〇って言われてすっごい悔しくて!!」
「すっごい悔しかったんだね!」
このように。
そして、要約についてはこれがある程度できるようになったら、キーワードをつなげて1つの文章を作れるようになってください。
例えば映画を見てどういう映画だったのか?を短くまとめるとか。
そのためには映画を見て重要なシーンのみをキーワードにしなければいけないですよね。それを纏めるのです。これができるようになるとバックトラッキングは自ずとできるようになるはずなので今日から意識してトレーニングをしていってください。